お点前の前に、抹茶を整える

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抹茶を整える、とはどういうことでしょうか。

茶道のお点前で、抹茶を入れるお道具を「茶入(ちゃいれ)」や「薄器(うすき)」、「棗(なつめ)」などと言います。

大事な抹茶を入れるためのものなので、茶道のお道具のなかでも最重要アイテムです。中には千利休の時代から受け継がれたものもあって、そのバリエーションもさまざま。

おうち茶道では、実は必ずしも必要なわけではありません。自分ひとり分のお茶を点てるだけなら、缶や袋からスプーン一杯だけ出して、十分美味しく味わうことができます。

けれどもお客さまをお迎えして抹茶をさしあげる、というときには缶や袋からそのまま掬うのではなく、蓋つきの容れものでお出しするのがいいですね。せっかくの機会ですから、棗に見立てたお好きな容れものにたっぷり、美しく盛られた抹茶を見ていただきましょう。

盛った抹茶をどうすくったか、実はその跡も見どころのひとつ。ですから最初が肝心というわけです。

【用意するもの】

・棗
・茶杓
・茶ふるい
・古い茶筅の穂先1本

今回の抹茶はd:matcha Kyotoさんのさみどりを使います。

利休形の中棗です。

茶杓

櫂先が少し幅広のものを使っています。

◇櫂先とは茶杓の先端のことで、抹茶をすくう場所です。茶杓は手で削ってつくるので、どれくらいの太さにするか、どれくらい曲げるかなど、作り手の腕の見せどころでもあります。

茶ふるい

一度に棗ひとつ分の量をふるうなら、茶こしよりふるい缶があった方が便利です。小さめのもので十分です。

◇「近藤さんの茶ふるい缶」を愛用しています。
これでふるった抹茶がこぼれたり舞い上がったりすることが減りました。

よければこちらから。

古い茶筅の穂先1本

これが大切です。

茶筅の穂先が折れたものがあったので、その1本を切り出して使います。

◇これは百本立の茶筅です。

数穂など穂数の少ないものだと太い穂先、百本立など穂数の多いものだと細い穂先になります。

竹串を細く削ったら同じようなものができないかと試してみたことがあります。
まったく細くなりませんでした。茶筅職人さんの技をここでも感じます。折れてもなお、抹茶のためのアイテムとして良い働きをしてくれます。

【手順】

1.セットした茶ふるい缶に抹茶を入れていきます。

説明には、これくらいだと多すぎると書いてあります。

舞い上がると困るので、下に薄い紙を敷きましょう。

2.くるくると回してお茶をふるいます。

やはり抹茶の量が多すぎて一度にふるい終わりません。

もう少しくるくると回しました。

抹茶の飛び散り、舞い上がりが少ないのが分かります。

3.棗に抹茶を入れていきます。

まずはふるい缶を手に持ち、棗をテーブルに置いた状態で。

4.ある程度入れたら、棗を手に持って、山を整えるように中心に静かに抹茶を入れていきます。

このままだとゴツゴツした山のようになっています。

5.茶筅の穂先で、なだらかな山を作っていきます。

表面の小さなダマを崩していきましょう。

◇この作業自体がひとつの瞑想のようなものです。

息が上がっていると舞い上がってしまいますから、呼吸を整えて、気持ちを穏やかにして。

山のようになだらかに盛りました。

<使ったあとは>

すみやかに保存用の缶に戻して冷暗所にしまいましょう。

棗の変色を防ぎ、抹茶自体が湿気を含んだり香りがうつったりすることを避けます。

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